旧チェコスロバキアのパルチザンスケ(Partizánske)という町。1939年、NOVESTA(ノヴェスタ)はその小さな町にある歴史的な工業地区バタ・インダストリアル・パーク(BATA Industrial Park)の中にひっそりと誕生しました。
ラバーとキャンバスの製品に特化した靴工場は、第二次世界大戦、戦後の冷戦、社会主義時代や国家分裂の歴史の流れを経て現在まで、ミリタリー、ワーク、ラバーブーツ、ランニングシューズなど、純スロバキア産のフットウェアを創業から一貫して作り続けてきました。
チェコ・スロバキアが分裂する一年前の1992年、創業から半世紀の間にヨーロッパを代表する工場として名を上げ、純スロバキア産スニーカーブランドのNOVESTAを立ち上げます。以来、NOVESTAはオリジナルブランドとして成長を続けながら世界各国のブランドと共に多様なコラボレーションプロジェクトを世界に発信しています。
NOVESTAはヨーロッパの繊細さ、そして東欧の素朴な質感が残るハンドメイドスニーカーを作り続けています。
スロバキアは中央・東ヨーロッパ一帯の真ん中に位置します。北はポーランド、南はハンガリー、北西はチェコ、東にはウクライナが位置し、首都のブラチスラヴァ(Bratislava)から西のオーストリアの国境までは車で約20キロ程、ウィーン(Wien)までは約50分程度の距離です。 ブラチスラヴァ旧市街には古き良き時代のヨーロッパの街並みが残ります。 工場のあるパルチザンスケはスロバキア中西部に位置します。ブラチスラバから工場への車で約1時間半程度のドライブの最中、窓からはスロバキアののどかな田園風景が広がります。
NOVESTAの歴史は1939年、Bata Groupの創業者一家のヤン・アントニン・バチャ(Jan Antonin Bata)がパルチザンスケという小さな街にフットウェアとラバー製品を生産するための巨大な工場を建設したことから始まります。
パルチザンスケの本社工場は旧チェコスロバキア最大の靴工場として、軍用のトレーナーシューズ、ワークシューズ、スポーツシューズ、そしてレインブーツなどラバーソールシューズの大量生産を行っていました。
半世紀以上の間、この工場で生まれた靴はヨーロッパのみならず世界中へと渡っていきました。工場は現在も毎年700トン以上の天然ゴムを使って一日に12,000足以上の靴を生産してします。
NOVESTAは品質にこだわり、高い環境基準と社会基準をクリアする生産体制を築き上げてきました。ほぼ全ての製品が天然ゴム、綿やリネンといった厳選された天然素材から生まれています。バルカナイズド製法を含む生産工程の9割は職人によるハンドメイドです。NOVESTAは地球環境へ優しい持続可能な物づくりを目指し続けるヨーロッパでも数少ない工場となっています。

工場は約500人のスタッフによって支えられており、その多くはパルチザンスケに住む地元の人達です。1980年代から在籍する熟練のシューズパタンナーや、靴作りに関心のある若いスタッフ、中には親子や兄弟で働く仲間もいます。幅広い年代のスタッフが在籍し、NOVESTAのものづくりの日常を支えています。工場は早朝6時には始業し、夕方前に一日を終えます。

工場は約500人のスタッフによって支えられており、その多くはパルチザンスケに住む地元の人達です。1980年代から在籍する熟練のシューズパタンナーや、靴作りに関心のある若いスタッフ、中には親子や兄弟で働く仲間もいます。幅広い年代のスタッフが在籍し、NOVESTAのものづくりの日常を支えています。工場は早朝6時には始業し、夕方前に一日を終えます。

アッパー部分の縫製の工程は、平面の各パーツを縫い合わせて立体的に仕上げる重要な工程です。丁寧にメンテナンスを行いながら使われてきた、多くは旧チェコスロバキア製のミシンにより、靴の形へと縫製されていきます。経験のあるスタッフによって縫われたアッパーには、NOVESTAのシューズだけが持つ独特な立体感と風合いが生まれます。
NOVESTAのアウトソールは全て天然ゴム由来です。原料の天然ゴムに、弾力と強度を上げるための薬品、そして着色のための顔料が混ぜられ、しっかりと時間をかけて練り込まれます。じっくり練り込まれたゴムは、アッパーから剥がれない、圧倒的な強度を持つSTAR MASTERモデルの要です。ゴムはクロワッサンの生地のようにまとめられ、アウトソールやラバーブーツなどの形に型抜かれます。また、製品用ゴムの生産をも得意とする本社工場では、ヨーロッパの自動車タイヤメーカーのタイヤや、工業製品のための産業用ゴムも生産しています。豊富なカラーバリエーションで知られるSTAR MASTERのCOLOR SOLEモデルは、ゴムの生産を一貫して行ってきて得た高い技術力と長年の経験から生まれています。
シートを切り抜いて使った残りのゴムの端切れは、捨てることなく、全てリサイクルし再生利用されています。端切れのゴムは再度練り込まれ、新たなラバーシートへ生まれ変わります。サステナビリティは、NOVESTAにとって、もっとも重要なコンセプトの一つです。リサイクルを工程に入れながら高い品質の製品を生み出すプロセスは、日々改善されています。本社工場は環境に関する国際的な標準規格であるISO14001の認証を取得しています。
80年以上の歴史を誇る工場には、現在も当時の面影が随所に残ります。工場内のさまざまなツールやインテリアは、旧チェコスロバキアの近代工業デザイン史を体現する貴重なアーカイブでもあります。現在、創業当時から使われてきた昔の靴の型やカッティングナイフなどの多くのツールは、メンテナンスを施され丁寧に保管されています。NOVESTAの製品は過去を踏襲するだけではなく、時代に合わせてアップデートを行いながら生産されています。
80年以上の歴史を誇る工場には、現在も当時の面影が随所に残ります。工場内のさまざまなツールやインテリアは、旧チェコスロバキアの近代工業デザイン史を体現する貴重なアーカイブでもあります。現在、創業当時から使われてきた昔の靴の型やカッティングナイフなどの多くのツールは、メンテナンスを施され丁寧に保管されています。NOVESTAの製品は過去を踏襲するだけではなく、時代に合わせてアップデートを行いながら生産されています。
NOVESTA BY VULKAN PARTIZÁNSKE
CREATIVE DIRECTION BY KLEINSTEIN
PHOTO BY KLEINSTEIN, JANA TOMAS AND ENGELAGENCY